飛び出せ、私。
Culture

雛のつるし飾りづくり

ひと針ひと針、心が
あったかくなりました。

いまブームになっている
雛のつるし飾り。その
火付け役は東伊豆でした。

雛のつるし飾りをご存知ですか。布でつくった色とりどりの人形や縁起物をモビールのように糸でつるし、ひな人形に添える飾りのこと。最近ではディズニーキャラクターのものも現れるなど人気が高まり、女の子が産まれたお友だちに贈る方も増えています。そしてこの人気に火をつけたのが東伊豆の雛のつるし飾りです。稲取は発祥の地で、風習の始まりは江戸後期と言われています。初節句を迎える女の子の幸せな成長を祈って、祖母や母、姉や叔母、近所の女性たちが協力して手づくりし、高価で手に入れにくかったひな人形に代わって飾られたものでした。しかし戦後、風習は徐々に衰退。約40年の空白を経て平成に入り、地元の女性たちが力を尽くして復活させ、町をあげて応援したことをきっかけに今のブームにつながるようになりました。

元気に育ってね。そんな
願いがあったかい、世界に
ひとつの贈り物なんですね。

おすすめプレイス

伝統を忠実に受け継ごうと活動する
女性たちからつくり方が学べる
「ニコニコ会」。

雛のつるし飾りの風習がいったん廃れた理由のひとつに、こうした縁起物はお焚き上げをするため、古いものがあまり残っていなかったことがあります。雛のつるし飾りを復活させた女性たちは、わずかに残っていたものから型紙を起こし、後へと残しました。ニコニコ会の女性たちも、「桃」は邪気・悪霊を退治して延命長寿を願うもの、など、ひとつひとつの飾りに込められた由来や意味を忠実に踏襲しています。そしてこのニコニコ会では一年を通して、講師の方がいればいつでも講習会を開いています。いくつかの品目から好きなものを1つ選び、懇切丁寧に指導してもらえます。ニコニコ会の方々がつくった飾りは、稲取文化公園にある「雛の館」で一堂に展示・販売され、伊豆稲取の駅にも飾られています。子を思う、愛することの形として表現された雛のつるし飾り。その想いに心を寄せながら、針を進めて仕上げてみてはいかがでしょう。

私も東伊豆で
始めています!

6代目 ミス雛のつるし飾り
佐野舞桜さん

普段は大学生で生物の勉強をしています。大学の編入試験を受けていて、合格したあと、今まで勉強ばっかりだったけど、もっと新しいことをやってみたいなと思い、地元・静岡のPR活動にチャレンジしてみたくミス雛のつるし飾りに応募しました。雛のつるし飾りは、ミスに選んでいただいてから一度実際に自分でつくってみたことがあったんですが、ひとりではほんとに難しくて、細かいところは母に手伝ってもらいながらキンメダイのモチーフのつるし飾りをつくったことがあります。ここではベテランのつくり手の方がやさしくサポートしていただけるので安心です。「伊豆」と聞くと温泉や海のイメージだと思うんですけど、「東伊豆」となると、やっぱり雛のつるし飾りなんじゃないかなというふうに思っています。私は生物の勉強をしているので東伊豆の自然とか景色とか、あとはバナナワニ園が大好きで、そちらもおすすめです(笑)。